脳卒中患者さんのための情報(新型コロナウイルス情報等)

脳卒中は予防のみならず、発症後は、再発予防のための“治療の継続”と“リハビリテーションの継続”も重要です。

お薬のことやインフルエンザに罹った時のことについても、ご一読ください。

脳卒中克服十か条

脳卒中後も再発を防いで活き活きした人生を送るための「脳卒中克服十か条」を作成しました。

脳卒中患者さんや家族が、脳卒中を克服する一助になればと願っています。

脳卒中克服十か条についてよむ]

お薬について

脳卒中の予防・再発予防のための薬を内服している患者さんに、ご注意いただきたい情報です。

患者さんのための新型コロナウイルス情報

Q.コロナウイルス感染が脳卒中の原因となることはありますか

A.現時点でコロナウイルス感染自体が直接脳卒中の原因となることは報告されていません。

 しかし、感染が引き金となり、血圧が変動したり、血液が固まりやすくなったり、脱水になったりする可能性は考えられます。その場合、高齢者,血圧やコレステロールや血糖が高く脳の血管の動脈硬化が進行している人、心房細動などの心臓病がある人など脳卒中のリスクが元々高い人では、発症のリスクがさらに高まる可能性が考えられます。

 また一般的に運動不足も脳卒中発症の危険が高まることが知られています。感染対策のため外出自粛“STAY HOME ウチで過ごそう”が叫ばれていますが、ご自宅できる運動もあります。 日本作業療法士協会(http://www.jaot.or.jp/jaot_for_covid19)や日本理学療法士協会(http://www.japanpt.or.jp/about/jpta/info/20200331.html)などではご自宅でできる運動を紹介していますので、適度な運動も続けるようにしましょう。

Q.脳卒中疑いで救急車を呼ぶと、搬送先の病院で新型コロナウイルスにかかるのが心配です。脳卒中を疑った場合、これまでのように救急車を呼んでよいでしょうか?

A.新型コロナウイルス感染症が広がっており、受診による感染のリスクを避けるために、受診間隔を長くしたり、不急の病院受診を控えておられる方が多いと思います。しかし脳卒中の場合は、発症早期の治療によって、命を救い後遺症を軽減できる可能性が高くなるので、救急車を呼ぶことが勧められています。

 受け入れ先の病院によっては、脳卒中の診療に加えて、新型コロナウイルス感染症対策で多忙のところもありますが、まずは、これまで通り、脳卒中を疑ったらすぐに救急車を呼んでください。懸念される濃厚接触のリスクは、ご本人だけでなくご家族もマスクを着用されると低減できます。

Q.脳卒中疑いで救急車を呼ぶ際、新型コロナウイルス感染を考慮して、どのようなことを伝えれば良いでしょうか?

A.救急車を呼ぶ際には、脳卒中を疑う症状(顔や腕の片側の麻痺や言語障害など)がいつからあるのか、ということに加えて、

  • 1週間以内に、発熱/悪寒、咽頭痛、鼻水、息苦しさ、頭痛、筋肉痛、嘔気/嘔吐、腹痛、下痢の症状がなかったか、
  • 新型コロナウイルス疑いの人と2週間以内に接点があったか、海外の感染地域への2週間以内の渡航歴があるか、

についても、分かる範囲でお伝えください。

Q.医療崩壊が心配されていますが、現在も通常通りの脳卒中診療を受けられるのでしょうか。

A.新型コロナウイルス感染が蔓延する中でも、脳卒中診療を担う医療機関はその対策に最善を尽くすよう努力しています。

 院内感染やスタッフへの感染を防ぐために、患者さんの受診時の感染スクリーニング、スタッフの感染防護、診察室や医療機器の消毒と換気、治療チームの特別編成等をしています。このため、病院到着から診断・治療開始までの時間が従来よりも長くなったり、従来受けられていた検査や一部の治療が受けられない場合がありますので、ご理解をお願いします。

Q.脳卒中の患者さんがコロナウイルスに感染するとどのような影響がありますか

A.脳卒中の患者さんは、一般の方々よりも免疫力や体力が弱っていると考えられます。

 つまり、一般の方々よりも感染しやすく、感染した場合に重症になり易い可能性があります。脳卒中を防ぐための治療薬 (抗血栓薬:血液サラサラの薬)のなかには、感染症に対する薬と相互作用を有するものがあり、併用することによって抗血栓薬の効果が過剰になる場合や、逆に効果が減弱する場合があります。その影響で脳梗塞や脳出血の発症のリスクが高まってしまいます。脳卒中の患者さんが発熱や呼吸器症状などに対して医療機関で薬の処方を受ける際には、必ず日ごろ内服している薬の内容 (お薬手帳など) を提示してください。

 また、感染により脳卒中の後遺症が悪化することもあり、その場合脳卒中の再発と区別がつきにくいことも少なくありません。脳卒中の後遺症の悪化に気づかれた場合は、すぐに脳卒中の専門病院を受診してください。

Q.脳卒中の患者さんに対してはどのような注意が必要ですか

A.脳卒中の患者さんは、一般の方々よりも免疫力や体力が弱っていると考えられます。

 つまり、一般の方々よりも感染しやすく、感染した場合に重症になり易い可能性があります。発熱や呼吸器症状など感染の可能性がある人、感染の可能性がある人と接触した人は極力脳卒中の患者さんと接触しないでください。家族に脳卒中の患者さんがおられる場合は、日ごろから手洗いやうがいの徹底、マスク着用などを心がけ、万一発熱などの症状を認めた場合は早めに医療機関を受診してください。

 脳卒中の患者さんが感染した場合、または感染が疑われる場合でも、早期に点滴などの治療を行うことで影響を最小限に食い止めることが期待されます。

Q.診察や薬はどうしたら良いですか

A.脳卒中は再発(もう一度脳卒中を起こされること)を含めた予防は、生活習慣の是正はもちろんですが、お薬を継続して服用することが大切です。一部のお薬は中止することで脳卒中を発症する危険が高くなることもあります。

 コロナウイルスの影響で、かかりつけ医院・病院の外来が閉鎖したり、緊急事態宣言で遠方の医院・病院への通院が難しくなる場合も考えられます。突然の外来閉鎖で診療情報提供書(他の医院・クリニックに患者さんの病状、治療内容を記載した手紙)をもらえないこともあるかと思いますので、お薬手帳など飲まれているお薬の情報を用意しておきましょう。万が一、急にかかりつけ医院・病院と違う医院・病院を受診しなくてはならなくなった時でも、いつもと同じ内容のお薬を処方いただけると思います。お薬手帳の取得が難しい場合は、今飲まれているお薬の表と裏を写真にとって、その飲み方をメモしておくと良いかも知れません。もし可能なら清潔にしたテーブルなどにお薬をシートから出した状態も撮影いただくと、より確実にお薬の内容をわかっていただけると思います。

  さらに後遺症がある患者さんはリハビリテーションの継続も重要です。外来通院リハビリテーションを行なっている方は、自宅でできるリハビリテーションについて聞いておくと良いでしょう。

 また、医院・病院によっては電話再診で医師が状態を確認し、お薬を処方することもできます。全ての医院・病院で行なっているわけではありませんので、かかりつけ医院・病院にご確認ください。

「COVID-19に関する日本脳卒中学会・日本循環器学会共同声明」が発表されました

COVID-19に関する日本脳卒中学会・日本循環器学会共同声明(PDF)

患者さんのためのインフルエンザ情報

脳卒中患者さんがインフルエンザになると・・・

脳卒中や心臓病(心不全、心筋梗塞など)の患者さんが通常の季節性インフルエンザになると重症化しやすく、その結果、入院や死亡の危険性が高いことが分かっています。また、脳卒中や心臓病の患者さんが季節性インフルエンザにかかると、心筋梗塞や脳梗塞の新たな発作の引き金になる可能性があることも知られています。新型インフルエンザ(A/H1N1)についても、季節性インフルエンザと同じような危険性が予測されます*。

*脳卒中や心臓病の患者さん以外にも、慢性呼吸器疾患、糖尿病などの代謝性疾患、腎機能障害、ステロイド内服などによる免疫機能不全の患者さん、妊婦、乳幼児、高齢者が重症化しやすいことが分かっています。

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新しいお薬や治療法の臨床試験・治験について

しばしば、テレビや新聞などで、脳卒中の最新治療として開発中のお薬や治療法が紹介されます。

当協会にもお問い合わせを受けることがあるため、以下のようにまとめました。

ただ、最新治療の開発には、海外企業やベンチャー、大学など様々な団体が関わっていて、情報を一元的に提供しているサイトなどはないのが現状ですので、以下の方法を試して頂ければと思います。

なお、当協会にお問い合わせ頂いた場合も、以下とほぼ同様の調査をおこなうことになります。

1)具体的な薬や治療の名前がわかっている場合

新聞や雑誌などで名前がわかる場合は以下のような探し方ができます。

  • インターネットでグーグル検索してみる
  • 開発している企業名がわかれば、当該企業に問い合わせてみる
  • 「臨床研究情報ポータルサイト」(https://rctportal.niph.go.jp)で検索してみる 
  • 「臨床研究実施計画・研究概要公開システム(JRCT)」(https://jrct.niph.go.jp)で検索してみる など
    *外部のウェブサイトであり、整備中などで使用できない場合もございます。

 2)治験・臨床試験を実施している医療機関がわかっている場合

  • 当該医療機関のホームページで「実施中の治験・臨床試験」情報を検索してみる
  • 当該医療機関の治験管理部署(施設によって部署名は様々です)に問い合わせる など