患者さんのためのインフルエンザ情報

脳卒中患者さんがインフルエンザになると・・・

脳卒中や心臓病(心不全、心筋梗塞など)の患者さんが通常の季節性インフルエンザになると重症化しやすく、その結果、入院や死亡の危険性が高いことが分かっています。また、脳卒中や心臓病の患者さんが季節性インフルエンザにかかると、心筋梗塞や脳梗塞の新たな発作の引き金になる可能性があることも知られています。新型インフルエンザ(A/H1N1)についても、季節性インフルエンザと同じような危険性が予測されます*。

*脳卒中や心臓病の患者さん以外にも、慢性呼吸器疾患、糖尿病などの代謝性疾患、腎機能障害、ステロイド内服などによる免疫機能不全の患者さん、妊婦、乳幼児、高齢者が重症化しやすいことが分かっています。

インフルエンザを予防するには・・・

ウイルス感染を予防するためには、手洗い・うがいをしっかりすることが大切です。

手洗いは、外出後だけではなく、可能な限り、頻回に行いましょう。石けんを使って最低15秒以上行い、洗った後は清潔なタオル等で水を十分に拭き取りましょう。

また、ウイルスが粘膜を通して感染するため、極力鼻や口などを触らないようにしましょう。

咳、くしゃみの際の「咳エチケット」も感染防止の上では大切です。咳やくしゃみ等の症状のある人には必ずマスクをつけてもらいましょう。(厚労省ホームページ参照)

ワクチンの効果は・・・

季節性インフルエンザについては、ワクチン接種効果として、発症の予防、肺炎・入院の危険性の低下、高齢者の死亡率の低下が報告されています。加えて、脳梗塞など心血管病のある患者さんが季節性ンフルエンザのワクチン接種を受けることによって、脳卒中や心臓病の再発をある程度予防でき、死亡リスクが低下することも分かっています。

インフルエンザかな、と思ったら・・・

抗インフルエンザ薬は基本的に発症2日以内に開始しないと効果が期待できません。そこで、「インフルエンザかな」と思ったら、できるだけ早く受診してください。どうしても受診できないときには、かかりつけ医に、電話で診断を受け、抗インフルエンザ薬の処方箋を近くの調剤薬局にファックスで送ってもらい、家族に薬局に薬をとりに行ってもらうこともできます。

インフルエンザにかかると、新たな脳梗塞の引き金になり得ることが知られています。幸い、インフルエンザ発症時に抗インフルエンザ薬を使用すると、脳梗塞や一過性脳虚血発作(TIA、脳梗塞の前ぶれ発作)をある程度予防できることが分かっています。

ほかにどんなことに気をつければよいですか・・・

インフルエンザになった時、普段から内服している薬を自己判断でやめないで、かかりつけ医に相談してください。

 

<厚生労働省のページ>

http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou/infulenza/index.html