更新日:2023年7月10日

滋賀県支部は事務局を滋賀医科大学医学部脳神経外科学講座内に設け、滋賀医科大学内の神経内科学や公衆衛生学などの関連教室、滋賀県および滋賀県医師会、県下の各医療機関などとの協力体制のもと運営しております。市民公開講座やISLS(神経救急蘇生)コース、脳卒中に関する講演会などの開催を通して、脳卒中に関する正しい知識や最新情報の提供の機会を創るとともに、電話相談を通して直接ご質問にお答えしております。また、各関連機関と連携しながら、滋賀県における脳卒中診療の体制整備にも協力して取り組んでおります。

滋賀県における脳卒中医療の維持・発展のために活動しておりますので、御意見や御提案をいただけましたら有り難く存じます。

支部長  吉田和道 滋賀医科大学 脳神経外科 教授
副支部長 漆谷 真 滋賀医科大学 神経内科 教授

滋賀県では、従来より脳卒中に関する疫学調査を行ってまいりました。現在、地域における発症数、発症率、機能予後、死亡率などの脳卒中発症の実態やその経年変化を明らかにすることを目的として、2011年1月以降に発症された脳卒中を悉皆的に登録する「滋賀県脳卒中発症登録」を継続しております。この研究で、2011年の滋賀県における脳卒中発症者数は2956人で、脳梗塞64%、脳出血25%、くも膜下出血9%でした。直近の国勢調査人口(2010年)を基準人口として性別及び年齢調整を行った脳卒中発症率は人口10万人あたり166で、2011年に日本全国で約22万人が新規に脳卒中を発症、再発も含めると約29万人が発症したと推定されました(下記論文)。滋賀県における脳卒中に関する詳細につきましては、下記の「滋賀脳卒中ネット」をご覧ください。

http://cera.shiga-med.ac.jp/ssdac/

(準備中)

● 急性期医療
脳梗塞に対する血栓溶解療法(t‐PA静注療法)や脳血管内治療(血栓回収療法)の効果を上げるためには、病院前および病院内で迅速な対応ができる仕組みが必要です。ISLS(Immediate Stroke Life Support 神経救急蘇生)など各種講習会を通して、救急隊員や看護スタッフへの啓発活動を行い、超急性期脳卒中患者の搬送・治療に役立てています。また、滋賀県庁ホームページの「医療ネット滋賀」で脳卒中救急に対応可能な病院を検索することができます。

● 急性期と回復期、維持期をつなげる連携パス
 滋賀県では全7医療圏で共通の地域連携パスを運用し、急性期、回復期、在宅または維持期の病院の間の診療連携を速やかに行うとともに、滋賀県医師会との連携の中、かかりつけ医からの病院への紹介、再発予防、在宅医療が適切に行われるように協議を重ねています。

● 滋賀脳卒中登録
 滋賀県では2012年から滋賀県内で2011年以降に発症した脳卒中患者さんのデータを蓄積しており、滋賀県における脳卒中診療連携体制に関する情報、脳卒中の予防、治療、リハビリテーションなどに関する情報、滋賀県における脳卒中統計などを、「滋賀脳卒中ネット」で公開しています。

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