更新日:2022年4月4日

石川県支部は故濱田潤一郎前金沢大学脳神経外科教授により設立されました。事務局は金沢大学脳神経外科教室です。

以前から石川県では各病院それぞれで脳卒中予防啓発のための市民講座を行っていたこともあり県支部としての活動はあまり多いとは言えませんでした。

石川県の脳卒中診療で特筆すべきは金沢大学脳神経外科の血栓回収チームの存在です。一般的にはtPAを投与した後血栓回収が必要な場合患者さんを血栓回収ができる病院に搬送しますが、石川県では血栓回収チームが各病院に出向いて血栓回収を行っています。そのため血栓回収までの時間が短縮され治療効果も期待できます。しかし、その反面血栓回収チームは24時間体制で待機しておりかなりの負担になっているのも事実です。その治療効果を上げるためにも脳卒中の救急医療について一般の方に知ってもらいさらに予防についての知識を広めるのも重要なことです。

市民啓発は脳卒中の救急医療、発症予防のため大きな意義がありますが、市民講座を行うとどうしても参加の年齢層が高くなってしまいます。脳卒中の予防は若い時から行うべきものであり脳卒中を発症した方を発見し通報するのは配偶者の方とは限らず同居の子供さんやお孫さんが多いと思われます。

そのため石川県支部では小学校高学年から中学生を対象としその保護者の方と一緒に受講していただける親子脳卒中教室を開催いたしました。夏休み中に開催し自由研究の題材にもなるよう脳卒中を解説したパネルを展示、脳卒中をわかりやすく説明した講演、救急通報の重要性や生活習慣病の怖さを説明した寸劇などを行い、さらに興味を引くように車椅子体験、糸結び体験、聴診器体験なども行っています。これは参加した方々にかなり好評で小・中学生さらに保護者の方にも脳卒中を少し理解できたと御意見をいただきました。

今後も石川県内各地で開催できないかと考えています。
これからも県内の各施設と協力しながら市民啓発の方法を工夫していく予定です。

支部長  中田 光俊 金沢大学脳神経外科 教授
副支部長 山本 信孝 医療法人社団浅ノ川 金沢脳神経外科病院 院長
副支部長 内山 尚之 石川県立中央病院 血管病センター長
副支部長 小野賢二郎 金沢大学脳神経内科 教授

《2022年度事業計画》

相談事業:予定なし

啓発事業
(1) 市民啓発事業 未定
(2) 開業医教育研修事業 未定
(3) 研修医教育研修事業 未定
(4) 救急隊教育研修事業 未定

(準備中)

● 急性期医療

脳卒中の急性期医療で重要なことの一つは脳梗塞急性期に血栓溶解療法や血栓回収を迅速に行うことが必要です。石川県は救急体制が比較的しっかりしているため発病から病院到着までの時間はかなり短い方です。病院到着後検査を行い脳梗塞であれば血栓溶解療法の適応を検討しますが、カテーテルによる血栓回収が必要な場合もしばしばあります。その場合一般的には患者さんを血栓回収が出来る施設に転送することが多いと思われますが、石川県では脳血管内治療専門医が各施設まで出向き血栓回収を行うシステムが構築されています。そのため治療までの時間がかなり短縮されています。

● 市民啓発

脳卒中についての知識を広めるため公民館、企業などで啓発活動を積極的に行っています。また脳卒中予防には若い時からの注意が必要で、家族が倒れた場合子供さんが第一発見者になることも多いため小中学生に向けた脳卒中教室も開催しています。

● 脳卒中連携パス

急性期から回復期、生活期まで一貫した治療を行うため脳卒中連携パスが用いられますが、石川県は北部の能登地方と南部の加賀地方では医療情勢がかなり異なります。そのため脳卒中連携パスは加賀と能登で異なるものを作成し、それぞれの地域に合わせた治療連携を構築しています。協議会を設け地域により治療の格差を生じないよう調整を行っています。

(準備中)