脳卒中体験記「和尚さまのひとこと」

日本脳卒中協会では、ご自身またはご家族が脳卒中になられた体験を持つ方の体験記「脳卒中後の私の人生」を募集し、毎年発行しています。

平成13年度は、田辺光世さんの「和尚さまのひとこと」が、優秀賞に選ばれました。

和尚さまのひとこと(田辺光世さん作)

 私が、生きるという事に自信が持てたのは、1年前(2000年3月)のお彼岸の入りの日。

 夫の両親の回忌供養に、和尚さまのお世話になった時の事です。

 お出迎えに出た私に、「奥さん、良くここまで克服なさった!ここまで来るには、それはそれは他人に言い知れぬご苦労があったのではないですか?偉いなー偉い。頭下がるよ。」
と、言いながら本当に深々と頭を下げてくださった和尚さまに、私はこれまで6年間の辛かった事、悔しかった事の全てを水に流し、この人(和尚さま)だけ、分かって頂ければそれだけで十分だ。皆に理解を求める方が無理だと思った私は、その日実家の母(93歳)に、「今日ネ!和尚さまが『良くここまで、克服できた』と、言ってくれたヨ。」と、話したところ、母は、ホッとした表情で「それは、良かったネ!人の最期を導くお人が言ってくれたんだから、間違いないヨ。良かったネ!良かった。」と言ってくれました。

 私は、これ以上の味方は無いとばかり、本当に心の底から嬉しく思いました。

 この日を境に、私は何事も「前向き」に考える様になりました。

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