脳卒中体験記「奇跡の軌跡」

日本脳卒中協会では、ご自身またはご家族が脳卒中になられた体験を持つ方の体験記「脳卒中後の私の人生」を募集し、毎年発行しています。

平成14年度は、渡辺一正さんの「奇跡の軌跡」が、優秀賞に選ばれました。

奇跡の軌跡(渡辺一正さん作)

「奇跡だ」「よくここまで」と発症当時を知る人は勿論私の主治医までが驚いた。

「リハビリは大変だったでしょう」とよく聞かれるが、私自身は大変とも苦痛に感じたこともなかったし、決して「奇跡」が思ったとも思ってない。

必ず回復するとの信念を持ち続けていたので、右手の指・手首そして右足首が全廃と診断書に書かれても、そんなはずないとの思いが強かった。

脳卒中になるとダメージを受けた部位は死んでしまうが、その周辺の生きている脳のネットワークが繋がることにより、その柔軟性・多様性が、救ってくれるとずっと信じてきた。

但し不安といえば、どんな書物を読んでも何時、どのようにしたら、そのネットワークが繋がるのかについて触れたものがなかったことである。

1年で繋がるのか、5年かかるのか全く判らない。ただやるしかない。前人未踏の、頂上の見えない険しい山に登る思いだった。一歩一歩着実に前進するしかない。うさぎと亀に例えれば、亀になる。飛躍的に改善するものではない。

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