日本脳卒中協会では、ご自身またはご家族が脳卒中になられた体験を持つ方の体験記「脳卒中後の私の人生」を募集し、毎年発行しています。
平成16年度は、鈴木佐和子さんの「希望に向かって−私の人生 前進あるのみ−」が、優秀賞に選ばれました。
- 体験者だけが知っている脳卒中を語り尽くす「脳卒中体験者インタビュー」動画を公開しました!ぜひご視聴ください!
希望に向かって−私の人生前進あるのみ−(鈴木佐和子さん作)
「鈴木さん、元気じゃったん?」と車椅子の私を戸惑った様子で見ながらそれでも心配そうに声を掛けてきた患者Mさん・・・私は「ありがとう・・・」と言っただけでもう涙が溢れそうになる。そうなんです。今日は私が勤めていた慈圭病院へ絵手紙の指導にやって来たのです。もう二度と来る筈はなかったであろうこの病棟に、今こうしてやって来たのでした。
思えば、私が脳出血で倒れたのが平成9年3月24日昼過ぎの事でした。その頃婦長になるため、数々の業務を覚えるのに精一杯の毎日でした。おまけに病棟を変わって日も浅く、患者さんの名前を覚えるのも容易ではありません。そのような中、お昼過ぎのミーティング中に倒れたのです。52才の時でした。
もぎ取られるようにして辞めた病院、精神科看護の道、准看護師だった私は47才で看護師の資格もとりこれからという時だったのです。それがたったの5年足らずでアッという間にすべての夢も希望も破れた去ったのです。
しかし人間とは、本当に強いものですネ。少なくとも私は、いつもどこかで“希望”をもっていました「必ず元気になって見せる」と。この強い希望を持ち続けたからこそ、頑張れたし今の私があるのです。
作品画面の右下にある矢印(赤丸部分)をクリックすると、画面が拡大され、読みやすいです。 プラス(+)、マイナス(−)で微調整してください。