脳卒中体験記「障害から貰ったもの」

日本脳卒中協会では、ご自身またはご家族が脳卒中になられた体験を持つ方の体験記「脳卒中後の私の人生」を募集し、毎年発行しています。

平成23年度の優秀賞には、村上通隆さんの「障害から貰ったもの」が選ばれました。

障害から貰ったもの(村上通隆さん 作)

 私は歯科医師として働き盛りの47歳の時に脳出血を発症しました。幸運が重なり一命は取り留めましたが、利き手を含む右半身不随の障害が後遺症として残り、離職することになりました。与えられた「第二の命」と「障害」を併せ持って踏み出した発症後10年目の抱負を記してみたいと思います。

 私は平成6年、40歳までは愛媛大学医学部歯科口腔外科に勤務し、以降は愛媛労災病院に勤務していました。父は平成6年に他界し、独身の私は母と労災病院敷地内になる職員宿舎で暮らしていました。母は脳梗塞の後遺症で左半身不随の障害者でしたが元来明るい性格の人で、慎ましいながらも親子水入らずの日々を暮らしていました。

 平穏な毎日が淡々と過ぎていましたが、平成13年8月31日に母は転倒して歩行困難になり入院しました。歩行困難の原因は尾骨骨折で順調に回復していました。9月23日秋分の日、午前中は母の病室へ行き午後から職員宿舎に帰宅して自室で書類を整理していました。午後3時頃、手を休め椅子をリクライニングさせて横になった瞬間に頭の中でパッチンと鋭い音がしました。

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